2018年05月30日

最近の消費者事件トピックと弁護士に頼むリスク判断

最近良く消費者問題の相談で多いのは、

仮想通貨(ICOやマイニング)に関連する投資、
自動(AI)投資システムなどの情報商材
原野商法(那須塩原などの所有している土地を高く買い取ると言ってお金をいろいろな名目でだまし取る)
投資用マンション・シェアハウス
サクラ出会い系・占いサイト


などでしょうか。
未公開株、社債、ファンド・匿名組合(適格機関投資家等特例業務届出事業者)、CO2排出権、金地金分割販売などは下火です。


きっかけとしては、従来の訪問や電話営業などから、

セミナー型(株などの投資のセミナーなどを開催し、そこで勧誘したり、参加者が他の参加者を勧誘したり)
SNS(LINE、Twitter、Facebook)を利用して、儲かっているように宣伝し、連絡先を公開して誘い出す、


という手法が目立ちます。


どの商法でも、お金を支払って、時間が経てば立つほど回収可能性は低くなり、
まだ相手が活動中などでは、全額近く回収することもできる事例もあります。
相手方(会社)だけでなく、勧誘者や宅地建物取引士など関係者に責任を認め、回収できた事例もあります。

とりあえず、「騙された?」と思ったら
躊躇せずに、すぐに、消費生活センターや弁護士に相談してください。



なお、弁護士に頼む場合には着手金が発生します。

消費者事件においては、当事務所などでは一般の基準(http://kasai-law.com/cost/index.html)よりも安めには設定していますが、
それでも、躊躇される方が居ます。
詐欺師に数百万円や数千万円を支払って、弁護士に支払う数十万円を惜しむのは、
確かに、これ以上お金を失いたくない、という気持ちはわかりますが、
絶対に諦めるということでなければ、リスク判断としては誤っています。

少なくとも私の考える消費者系の弁護士は、
決して詐欺師のように甘い言葉で「絶対に勝って、全額回収できます。」とは言いません。
現実的な回収可能性の予測、予めの費用を冷静に(或いは冷たくと言ってい良いかもしれません)告げます。

決して詐欺師のように手取り足取り手伝い、あなたが何もしなくてもお金が入るとは言いません。
資料を集めて、記憶を喚起してもらって、依頼者・相談者に負担もかけます。

それでも、可能性にかけ、少しでも現実的に回収を図ろうと努力します。
その対価として、着手金をいただきます。(成功報酬は回収できた場合ですが、回収できない事例も多いです。)

決して安くはなく、依頼者・相談者は自分のお金を取り戻すだけなのに、何故そのようなお金を払わなければいけないのか、
相手(詐欺師)を信じて待ってれば、もしかしたら何もしなくてもお金が戻ってるのではないか、と思うかもしれません。
しかし。それは誤りです。弁護士などに頼んで必死に請求・回収しなければ1円も戻ってくることはありません。

一度騙された方は、それを受け入れ、立ち向かう覚悟が必要です。
弁護士費用だけ払って回収できないというリスクはありますが、
詐欺師から回収するにはそのリスクを受け入れなければなりません。

そして、私はそのリスク判断は決して間違っていないと思います。


Twitterでも引用させていただきましたが、ここでもこちら(http://aoi-law.com/blog_case/%ef%bd%84%ef%bc%99%ef%bc%8csener%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%9b%a3%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%95%8f%e5%90%88%e3%81%9b%e3%81%ab%e3%81%82%e3%81%9f%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%ae%e3%81%8a%e9%a1%98%e3%81%84/)のブログの言葉を引用させていただきます。


「詐欺商法の被害救済手続を行うにあたっては,詐欺商法に遇うときとは異質の,自分自身での真摯な行為を求められることを自覚して頂きたい。詐欺商法に金銭を出捐したときのような「手軽さ」「手取り足取り」もないし,「耳あたりのよい言葉」もない。自身が置かれている立場を今更ではあるが正解し,自身でできることは,自身でできる限り履行して頂きたい。』
posted by まんさく at 15:11| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月12日

ベネッセ個人情報漏えい事件もろもろ

集団訴訟については、こちら(https://vsbenesse.exblog.jp/22817541/

個人訴訟(0次)については、判決6月20日の13時10分に決まりました。

最高裁の事件は、差し戻しで、大阪高裁で審理中です。
0からのスタートに近いので、まだまだ時間は掛かりそうです。
最高裁判決については、裁判所のHP、判例時報、判例タイムズ、そし重要判例解説平成29年版にも掲載されています。特に重判の解説は非常にわかりやすくためになります。
色々なメディアにも取り上げられたようで、嬉しいです。

その他に、控訴審から受任した事件も進んでいます。

なお、弁護団とは無関係の被害者の会については、こちら(http://www.benesse-saiban.com/pc/index.html
傍聴したりもしていますが、まだ結審は先のようです。


ブロッキングや裁判のIT化など、色々書きたいことは多いのですが、日々の業務に追われております。
posted by まんさく at 16:51| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月23日

ベネッセ事件最高裁判決(破棄差戻し)

上告審から受任したベネッセ事件の最高裁判決が本日出ました。
既に最高裁のHPでも公開されています。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87154
(氏名,性別,生年月日,郵便番号,住所及び電話番号並びにBの保護者としての上告人の氏名といった上告人に係る)「本件個人情報は,上告人のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となるというべきであるところ,上記事実関係によれば,本件漏えいによって,上告人は,そのプライバシーを侵害されたといえる。しかるに,原審は,上記のプライバシーの侵害による上告人の精神的損害の有無及びその程度等について十分に審理することなく,不快感等を超える損害の発生についての主張,立証がされていないということのみから直ちに上告人の請求を棄却すべきものとしたものである。そうすると,原審の判断には,不法行為における損害に関する法令の解釈適用を誤った結果,上記の点について審理を尽くさなかった違法があるといわざるを得ない。」

早稲田大学江沢民事件の判例とほぼ同じ内容ですが、住所、氏名といった「単純」な個人情報について、プライバシーに係る情報として法的保護の対象となると判断し、漏えいによって,プライバシーを侵害されたと認定されていることで、より早稲田大学江沢民事件の判例の趣旨が明確になったと理解しています。

他のベネッセ事件についても、プライバシー侵害を前提にして、その賠償金額及び過失の有無に争点が絞られるのかな、と思います。
これを受けて、私個人と弁護団の先行事件については、そろそろ結審、判決という流れになりそうです(年内結審、年度内判決といった進行でしょうか)。
なお、被害者の会の訴訟も傍聴等していますが、そちらはまだ先は長そうです。


ちなみに、上告審については9月29日に弁論があり、初めての最高裁の弁論(しかも上告人側)ということで、緊張しながらも良い経験になりました。
話すタイミングが分からず焦ったりもしました。やはり最高裁は別格という感じですね。

刑事事件で無罪判決も取ったこともあり、弁護士としてやりたいことは、再審無罪と大法廷での弁論・新判例ぐらいですかね。
当然、日々の事件を丁寧に迅速に積み重ねていくことが結果につながると思いますので、これからも精進いたします。
posted by まんさく at 22:50| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする