2014年06月27日

個人情報保護法制に関する意見書

一昨年ぐらいから,ずっと議論をしてきて,でも,会からの正式な意見書の提出は難しく
現状の個人情報等の取り扱いの議論のスピードから待っていられないということで,
有志で,意見書を提出しました。

大阪の弁護士会の意見書(http://www.osakaben.or.jp/speak/view.php?id=60)も
日弁連の意見書(http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2014/140619_2.html)も
方向性が違い,
H25.1頃には完成していたものなので多少古びたものですが,基本的な考え方は変わっていないので,ここで発表させていただきます。関係省庁にも送ってあります。

個人情報保護法制に関する意見書(最終版)20140627.doc

要旨

○現状の法規制(個人情報保護法の)問題点(意見の理由「第3」)
・主務大臣による監督権がほぼ実行されない(平成23年度には,各府省合計で報告徴収16件,助言1件しか行われていない)。
・個人情報保護法に関する照会に対応する官庁が不明確である(各主務官庁は,事業分野ごとのガイドラインを担当するものの,個人情報保護法自体の法解釈権限はなく,一方,個人情報保護法の有権解釈権限を有する消費者庁は,報告徴収・助言・指導・勧告・命令を行う権限がない。)
・「個人情報」の定義が不明確である(行動履歴などのビッグデータ利用などの現状に追い付いていない)
・同意の形骸化,共同利用構成の安易な利用
・個人情報保護法における開示請求,訂正請求,利用停止請求について裁判上の請求権ではないとの裁判例(東京地判平成19年6月27日判時1978号27頁)
・不法行為責任追及による救済の問題点(賠償額が少額,事後的救済では被害回復が困難)
→消費者の被害甚大,不安や過剰反応,事業者も,予測可能性を欠いて不利益

○上記による実際の問題(意見の理由「第2」)
・知らないうちに,インターネット利用履歴(Web サイトの検索や閲覧の履歴など)を収集され,個人の興味や行動特性を特定する行動ターゲティング広告
・曖昧な個人情報の定義,共同利用構成を用いた共通ポイントサービス(薬の購入履歴などのセンシティブな情報も利用される)
・形式的な同意を利用して個人情報等を抜き取るアプリ
・企業のパーソナルデータを利用したサービスへの不安感,過剰反応(JR東日本の例)

○提言(意見の趣旨、意見の理由「第4」)
・独立性・中立性を有する第三者機関(いわゆるプライバシーコミッショナー)にて,個人情報保護法制全般に係る法所管・執行を行い,同機関に十分な権限,予算および人員を確保するべきである(法律だけでは技術の進歩による新しいパーソナルデータの利用に適切な対応ができない。また十分な予算・人員がなければお飾りになってしまう)
・個人情報保護法の改正(個人情報の定義の拡大,同意の原則化,裁判上の請求権),法解釈の明確化(同意の厳格化・明確化,オプトアウト・共同利用の明確化
・個人情報の大量流出事件の被害の実態に則した事後的救済制度として,一部の被害者による訴訟追行の結果としての判決効が被害者全体に及ぶクラスアクション制度の導入
posted by まんさく at 18:45| 東京 ☁| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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