2015年06月10日

ベネッセ訴訟進行状況2

【個人訴訟】0次訴訟
前回の報告通り,相手方の準備書面1(ほとんど求釈明)に対し,
回答の第1準備書面を出したのですが,
これに対し,さらに5月8日付で準備書面2で相手方から求釈明をされました。

それを受け,5月20日に第3回期日がありました,というかあるはずでしたが,
私の手違いで,期日が急遽延期し,当日は電話での期日調整になりました。

電話でのやりとりでは(相手方は裁判所に出席)
私が,原告としては,
1回目の被告からの求釈明に対し十分に回答しているつもりでこれ以上は必要ないと考えるが,裁判長においてもっと注意義務を特定する必要性があるということで正式に釈明をするのであれば,さらに補充を考える旨述べたところ,
裁判長より,
少なくとも,原告のあげている複数の行為(訴状第2の2の(3)@Aなど)が,不法行為の成立との関係で,各行為全体として一つの過失による不法行為が成立するのか,各行為毎に不法行為が成立するとしたらその関係について,明らかにして欲しい旨の要望がありました。
そこで,原告としては,そこについて早期に明らかにし,
その上で,次の期日で,さらなる釈明の必要性を検討することになりました。

そして,若干提出期限に遅れて出したのがこれです。
第2準備書面ベネッセ公開用.doc

※1(小難しい理屈の話は追記で)
過失の個数については,当然,選択的併合(個別の過失でどれか一つでも認定されれば良い)にしています。


なお,こちらが第1準備書面で求めていた釈明については,
相手方から早くも準備書面3で回答が来ました(驚き)。
「続柄」ではなく「保護者」としての登録ということと,
こちらの第1準備書面で述べていたような推測は正しいということでした。
すっきりしました。

次回期日は,6月17日15時30分からです。


【弁護団】
詳細は公式ブログにてhttp://vsbenesse.exblog.jp/20830886/
1次訴訟は,次回期日が7月27日
2次訴訟は,次回期日が7月13日
3次訴訟は,次回期日が6月17日
4次訴訟は,期日未定         です。

相手方から原告の特定・確認のために,ベネッセからの通知書(ご報告及びお詫びの品のご案内)のIDの開示や,通知書自体の証拠提出を求められたりしています。
弁護団で対応していきます。

なお,上記期日は,いずれの訴訟も口頭弁論を公開の法廷で行っておりますので,傍聴することは可能です。
傍聴を希望される方は、時間までに法廷の傍聴席にお入りください。

また,弁護団の訴訟では「閲覧制限の申立」をしています。
まだ最終的な決定は出ていませんが,今のところ,
裁判所で公開されている開廷表にも原告の個人名の記載はありませんし,
他の人が個人を特定するような情報については,裁判記録を閲覧することもできません。


【その他】
多くのところで,個人情報漏えいの問題が起きているようですね。
同様に新たに弁護団を結成し,集団で被害救済を求めるのかなどについては,
過失の有無や漏れた情報の種類・量,被害弁償があるかなどで検討していくしかないでしょうか。
今のところ,これで手一杯なので,具体的な予定はないです。

※1
この準備書面では,相手方から再三具体的な特定を求められていた過失の前提となる「注意義務」について,
これまでの同様の個人情報漏えいの判例などから,個別具体的な特定は必要ないということを前提にし,
個人情報漏えいさせないようにするいわば安全管理義務というような抽象的なもので足りるとし,
その上で,注意義務違反の具体的行為(不作為)について,個別具体的に既に論じているので,それで足りるという主張です。
そもそも,注意義務の特定は,被告の(攻撃)防御のためだとすれば,注意義務違反の具体的な行為について特定していれば,足りるはずです。(翻ってそれが注意義務の特定にもなるはずです)

ここらへんは法理論(過失論)の話なので,素直に,
個人情報漏えいさせないようにするいわば安全管理として
@アラートシステムの設定をする義務
A書き出し制御をする義務
Bダミーデータによるチェックをする義務etc.
と,注意義務を個別具体的に絞ってしまう考え方もあると思います。

ただそうししてしまうと,
相手方は,安全管理体制全般でなく,特定された注意義務だけに絞って反論すれば足り,
新たな事実が発覚等した場合には,新たに注意義務を追加することになるので,
なんとなく私は,上記やり方をしました。
弁護団では,まだ議論中ですが,別の構成を取る可能性もあります。


★「釈明」について
「釈明」とは,詳しい説明を求めるというような意味ですが,
何故「求」がついているかというと,
本来釈明できるのは,裁判長なんです(民事訴訟149条)。
ですので,形式上は,裁判長に,釈明を求めているので,「求」釈明になるのです。
もっとも,裁判長から正式に釈明される前に,特に支障がなければ,応じることが多いです。
しかし,あまりにも必要性がないと思われる場合や,一度答えたのにさらに同じように求釈明されると,
さすがに,本当に必要か裁判長に確認したりします。
posted by まんさく at 20:07| 東京 ☀| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする