2017年10月23日

ベネッセ事件最高裁判決(破棄差戻し)

上告審から受任したベネッセ事件の最高裁判決が本日出ました。
既に最高裁のHPでも公開されています。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87154
(氏名,性別,生年月日,郵便番号,住所及び電話番号並びにBの保護者としての上告人の氏名といった上告人に係る)「本件個人情報は,上告人のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となるというべきであるところ,上記事実関係によれば,本件漏えいによって,上告人は,そのプライバシーを侵害されたといえる。しかるに,原審は,上記のプライバシーの侵害による上告人の精神的損害の有無及びその程度等について十分に審理することなく,不快感等を超える損害の発生についての主張,立証がされていないということのみから直ちに上告人の請求を棄却すべきものとしたものである。そうすると,原審の判断には,不法行為における損害に関する法令の解釈適用を誤った結果,上記の点について審理を尽くさなかった違法があるといわざるを得ない。」

早稲田大学江沢民事件の判例とほぼ同じ内容ですが、住所、氏名といった「単純」な個人情報について、プライバシーに係る情報として法的保護の対象となると判断し、漏えいによって,プライバシーを侵害されたと認定されていることで、より早稲田大学江沢民事件の判例の趣旨が明確になったと理解しています。

他のベネッセ事件についても、プライバシー侵害を前提にして、その賠償金額及び過失の有無に争点が絞られるのかな、と思います。
これを受けて、私個人と弁護団の先行事件については、そろそろ結審、判決という流れになりそうです(年内結審、年度内判決といった進行でしょうか)。
なお、被害者の会の訴訟も傍聴等していますが、そちらはまだ先は長そうです。


ちなみに、上告審については9月29日に弁論があり、初めての最高裁の弁論(しかも上告人側)ということで、緊張しながらも良い経験になりました。
話すタイミングが分からず焦ったりもしました。やはり最高裁は別格という感じですね。

刑事事件で無罪判決も取ったこともあり、弁護士としてやりたいことは、再審無罪と大法廷での弁論・新判例ぐらいですかね。
当然、日々の事件を丁寧に迅速に積み重ねていくことが結果につながると思いますので、これからも精進いたします。
posted by まんさく at 22:50| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする