2019年08月30日

「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)」メモ

(令和元年8月29日)「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)」
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/aug/190829_dpfpc.html
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/aug/190829_dpfpc3.pdf


適用対象等
・独禁法2条9項5号の優越的地位の濫用の相手方に消費者も含まれる【これまでは独禁法BtoB、BtoCは景表法などの適用が中心?】
・事実上含めた代替不可、取引条件をある程度自由に決定(情報や交渉力の格差を考慮)
・正常な商慣習(公正な競争秩序の維持・促進の立場から是認されるもの。現存の商慣習でも直ちに正当化されない)

濫用行為類型
・個人情報の不当な取得(利用目的不告知@、必要範囲逸脱A、安全管理違反B、継続利用時の追加提供C)
・個人情報の不当な利用(利用範囲逸脱DE、安全管理違反)
・その他,デジタル・プラットフォーマーによる消費者が提供する個人情報等の取得・利用に関する行為が,正常な商慣習に照らして不当に消費者に不利益を与えることとなる場合


【想定例@】 デジタル・プラットフォーマーA社が,個人情報を取得するに当たり,その利用目的を自社のウェブサイト等で知らせることなく,消費者に個人情報を提供させた(注1)(注2)。
(注1)自社のウェブサイトの分かりやすいところに利用目的を掲載した場合や,消費者に対し,電子メールなどにより利用目的を通知した場合は,通常,問題とならない。
(注2)利用目的の説明が曖昧である,難解な専門用語によるものである,利用目的の説明文の記載場所が容易に認識できない,分散している,他のサービスの利用に関する説明と明確に区別されていないことなどにより,消費者が利用目的を理解することが困難な状況において,消費者に個人情報を提供させている場合には,利用目的を消費者に知らせずに個人情報を取得したと判断される場合がある。
一般的な消費者が容易にアクセスできるところに分かりやすい方式で,明確かつ平易な言葉を用いて,簡潔に,一般的な消費者が容易に理解できるように利用目的に関する説明を行っている場合は,通常,問題とならない。

【想定例A】 デジタル・プラットフォーマーB社が,個人情報を取得するに当たり,その利用目的を「商品の販売」と特定し消費者に示していたところ,商品の販売に必要な範囲を超えて,消費者の性別・職業に関する情報を,消費者の同意を得ることなく提供させた(注3)(注4)。
(注3)「商品の販売」を利用目的とする場合に,消費者の氏名,メールアドレス,決済情報等といった利用目的の達成に必要な個人情報の提供を求めることは,通常,問題とならない。また,消費者の性別や職業等といった利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報であっても,消費者本人の明示的な同意を得て提供を受ける場合は,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報の提供にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。
(注4)「商品の販売」に加えて追加的なサービスを提供しているときに,当該追加的なサービスの提供を受ける消費者本人の明示的な同意を得て,当該追加的なサービスの提供に必要な個人情報の提供を受ける場合は,通常,問題とならない。

【想定例C】 デジタル・プラットフォーマーD社が,提供するサービスを継続して利用する消費者から対価として取得する個人情報等とは別に,追加的に個人情報等を提供させた(注5)。
(注5)当該追加的な個人情報等の取得が,上記アないしウにおいて問題とされているような行為を伴わずに行われた場合であっても,問題となる。従来提供していたサービスとは別に,追加的なサービスを提供する場合であって,消費者が当該追加的なサービスの提供を受けるに当たり,その対価として追加的な個人情報等を提供させる場合は,通常,問題とならない。

【想定例D】 デジタル・プラットフォーマーE社が,利用目的を「商品の販売」と特定し,当該利用目的を消費者に示して取得した個人情報を,消費者の同意を得ることなく「ターゲッティング広告」に利用した(注6)。
(注6)利用目的が「商品の販売」であるところ,新たに,ターゲッティング広告に個人情報を利用することについて,例えば,電子メールによって個々の消費者に連絡し,自社のウェブサイトにおいて,消費者から取得した個人情報を当該目的に利用することに同意する旨の確認欄へのチェックを得た上で利用する場合には,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,個人情報をターゲッティング広告に利用することにやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。

【想定例E】 デジタル・プラットフォーマーF社が,サービスを利用する消費者から取得した個人情報を,消費者の同意を得ることなく第三者に提供した(注7)。
(注7)個人情報を第三者に提供することについて,例えば,電子メールによって個々の消費者に連絡し,自社のウェブサイトにおいて,消費者から取得した個人情報を第三者に提供することに同意する旨の確認欄へのチェックを得た上で提供する場合には,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,個人情報の第三者への提供にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。
なお,提供された個人情報を,消費者の同意なく,社内の営業部門から総務部門に提供することは,通常,問題とならない。
posted by まんさく at 10:45| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする